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メンタル疾患の彼氏彼女を持つ人達へ…

エピソード5 「プロポーズ」(後編)


リングの準備はした…。

「プロポーズは、俺の方からさせてくれ、約束するから…、
 もう少しだけ待って…。」

『もう少しだけ』のタイミング がやって来ようとしている…。

一度は撤回させたプロポーズ…。

俺からのプロポーズは、思い付く限り最高のシチュエーションで、

言葉を送りたいと考えていた。

12月の中旬を過ぎた頃、嫁さんから…。

「もうすぐクリスマスだね、なりさんとは、初めてのクリスマス
 だ…。」

「そうだな。」

「ねぇ、何か欲しいもの無い?」

「ん~、ビール券!!」

「えぇ~、もう少し、ましなの無いの~?全然、雰囲気無いじゃん!」

「雰囲気?そんなもん、俺に求めんなよ!、ビール券!!」

「えぇ~、じゃぁ私が勝手に選ぶ!!」

「てか、いらねぇよ、何にも、お前、金ねぇじゃん?」

「でもさ~、なにか…。」

「じゃぁ、俺も金無いから、部屋でやろう、クリスマス!」

「お部屋ぁ?」

「その代わり、ディナーは全部、俺担当、これがプレゼントでどう?」

「うん、だったらいいよ!」

「わりぃな…、安上がりで。」

「ううん、全然いい、そう言うのやった事無いから、楽しみだなぁ。」

これで、シチュエーションは整った、あとは、ピンポイントに、

アクセントを入れる、小物の準備だけ…。

クリスマスイヴの前日、コンビニで、サンタクロースの小さな

ぬいぐるみと、タイマー付きのクリスマス用オルゴールを買った…。

お菓子の詰まった袋の中身を交換する為に…。

クリスマスイヴ当日AM 2人で買出し、飲み物は、シャンパンの

代わりに、2人のお気に入りのフォロナリーのランブルスコ

(発泡性の赤ワイン)を2本。

初めてのクリスマスディナーは。
 ・クリームチーズと豆腐のカナッペ
 ・自家製ガーリックトースト
 ・クラムチャウダーのポットパイスープ
 ・パルマ産プロシュートの生ハムトッセサラダ
 ・チキン一羽に香草とパン粉を詰めたオーブン焼き
のメニュー。

クリスマスイヴ PM 半日掛りで、仕込み開始、ケーキは嫁さんの

お気に入りの店のものを買って来て貰う。

その間に、隠していたリングを、サンタクロースのぬいぐるみの袋に

入れて、オルゴールのタイマーを午前0時にセット。

嫁さんが絶対に開けない場所に隠す…。


PM21:30 少し遅めのディナー開始。

「料理凄いね!!、外食するより凄いかも?」

「でしょ?、プレゼントつったからには、これぐらいは
 やんねぇとな。」

実際は、仕込みだけでグッタリしていたが、意地を張ってみる(苦笑)

「よし、電気消せ、キャンドル点けようや。」

「綺麗だね…、なんか、嬉しい…。」

「……、さすがに喉渇いたな、乾杯しよう!」

「うん、お疲れ様、ありがとう、手作りのクリスマスの料理
 はじめて…。」

「ワイン抜くぞ。」

「乾杯!!」

「乾杯…。」

しばらくの間、いつもと変わらない、しかし、いつもとは少し違う

空気の中を、2人で過ごすワインのペースも、普段よりは、

ゆっくりになる。


PM23:45 1本目のワインが空く。

「もう一本、もう開ける?」

そう聞かれ、時計に目をやる。

「もう一本は、もう少し待っとけよ。」

「うん、じゃぁ、ケーキ食べよっか?」

「いいよ。」

「ロウソクも貰って来たんだ…。」

「そっか。」

「2人で消そうね。」

「パス。」

「いいじゃんクリスマスの時ぐらい。」

「もう少しだけ、火を点けんの待ってくれる。」

「なんで…?」

「もうすぐだから…。」


AM00:00 キッチンの冷凍庫から、かすかにオルゴールの音が

聞こえる。

「冷蔵庫の方から、なんか聴こえる…?」

「行って来てみな。」

かすかな、オルゴールの音を頼りに、冷凍庫のドアを開ける彼女。

「あっ!サンタさんがいる!!」

「待たせたな、こっちが本当のプレゼント。」

「………嬉しい!サンタさんありがと。」

「チョット待って!、そこで、嬉しがるな!、サンタさんは何に
 プレゼント入れて来るんだっけ?」

「袋?」

「だろ。」

「嘘!!、コレこの前デパートに行った時の指輪だぁ!」

「MERRY Xmas!」

「………うそ、…うそ……ありがとう…、これ欲しかったんだ
 本当は…。」

「着けてみな。」

「なりさんが、着けてくれない…?」

「いいよ、どうせもう一つ、受け取って貰いたいものがあるからさ。」

「そこに立ってて。」

「はい。」

正面に立つ彼女にひざまずき、聞いてみる。

「どっちの手のどの指に着ければいい?」

「……なりさんに任せる……。」

「じゃぁ、こっちの、この指借りるな。」

彼女の、左手の薬指に、3つのリングを繋げていき、立ち上がる、

向かい合う2人。

「わりぃな、今はこれが代わりになっちまうけど…、もう一つの

プレゼント…、これは、お前が、受け取るかどうか決めてくれ。」

「はい…。」

「一回しか言わねぇからな。」

「はい…。」

「俺は、○○を愛しています、そして、これからも、この気持ちは、
 変わる事が無いと、約束します、だから…、俺の、嫁さんに、
 なって下さい。」

「………はい、………喜んで…。」

「…でも、でも、でも、本当に、本当にわたしなんかでいいの…?」

「色んな病気もってるし、歳も6つも上だし、料理下手だし、
 それから…それから…」

「もう気が済んだか?、前にも似た様な事言ったかもしれないけどな、 『わたしなんか』じゃ無く
 『お前だから』嫁さんになってくれっ言ったんだ!
 二回も言わせんな!」

「(涙)わたし、なりさんのお嫁さんになりたい、なりたいよ、
 わたしの事選んでくれて…ありがとう。(号泣)」

俺の胸の中で、泣きじゃくる嫁さんをもう一度、しっかりと

抱きしめなおす。

「こんなのずるいよ、何も聞かされてないし、指輪だってサイズ
 合ってるし、こんなに、急だし、パニックになったらどうしてくれんのよ!
 ずるい、ずるい、ずるい………。」

ずるいを連呼しながら、俺にもたれ掛かった嫁さんは、そのまま
 
寝息を立てていく。

嫁さんをベッドまで、運んだ俺は、2本目のワインを開けた…。

嫁さんの、安心し切った寝顔を見ながら、ワインを飲んでいた、

クリスマスの夜。

これが、俺たちのプロポーズの風景…。


続く
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テーマ:たいせつなひと。 - ジャンル:心と身体

  1. 2007/10/04(木) 03:36:31|
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