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メンタル疾患の彼氏彼女を持つ人達へ…(エピソード25)「不協和音~かりそめの平穏」(後編)

このエピソード達は、俺と、今は亡き、嫁さんが過ごして来た時間を懐古しながら、今現在、そういった状況で、悩んだり、困ったり、つまづいたりしている、人達の何かの役に立てればと思い、不定期で、自分と嫁さんのエピソードを、ノンフィクションで、書き綴っているものです…。

現在進行形の物語ではないので、ご注意を…。



エピソード25「不協和音~かりそめの平穏」(後編)

新しい職場の新規オープン準備も無事に終え、俺の生活時間帯が、完全に深夜にシフトチェンジする事になる。

俺と嫁さんの生活時間帯の違いは、確実に二人で共有出来る時間を削って行った。

オープンしたばかりの店舗、六本木という土地柄も手伝って、日々、マネージメントを任される店に改善、変更点が生まれる、オープンから数週間は、朝までの営業を終えてから、オーナーと打ち合わせをする機会も多く、帰宅は、昼近く、もしくは、昼を過ぎる事もままあった。

「なりさん、一緒にいれる時間が減ったよね…。」

「ごめんな、もうすぐ店自体が落ち着いてくると思うから、それまで許して!、ただ、休みは増えたから休日は有効に使おう?」

「…うん、でもさぁ…、あんなに疲れて帰ってくるし、お休みの日くらいゆっくりして貰いたいよ…。」

「大丈夫、今は、店自体が落ち着いてないから、こんなだけど、その内俺も慣れるからさ、それよりお前は調子どうだ?」

「うーん…、この前ね病院変えたいって言ってたじゃない?」

「うん、そうだな、それで、どうなった?」

「ごめんね、もうさ、変えちゃったんだ病院…。」

「そうなんだ、で、新しいとこはどんな感じ?」

「雰囲気自体はいい感じなんだけどさ…。」

「何か問題でもあんの?」

「うーん…、あのさ、今までは、わたしの診断て『鬱病』がメインだったじゃない?」

「それ以外にもいっぱいあるけどな。」

「まぁね、でもね、今回行った病院で、色々検査したり、話をしたりしてたらね、『初期統合失調』だって言われたんだ。」

「それは、どんなの?」

「幻覚とか幻聴とか、自分が自分じゃない感じがしたり、幻覚とか、幻聴の話は、前から、なりさんにした事あったよね?」

「あぁ、風呂場の蛇口から髪の毛が出て来たり、誰もいない時に、近くから、ずっと呼ばれ続けたりするってやつだよな?」

「それ以外にもあるんだけどね…、なりさんは気のせいだって言うけど結構、本当に見えたり、聞こえたりする方にとっては辛いんだよ!」

「ごめんな、最近俺、余裕が無いよな?その話を聞いた時だって、風呂場覗いてきただけだもんな…。」

「……それよりね、今わたしが一番怖いのは色んな事を忘れて行っちゃう事もあるって聞いた事なんだ…。」

「……。」

「なりさん、わたしが入院した時に一緒に入院していたおばあちゃんの事覚えてる?」

「あぁ、あの、話が色々飛んじゃう人だろ?」

「うん、あんな風になるかも知れないんだよ…わたし…。」

「あのおばあちゃんだって、何とか会話も出来てたじゃん。」

「でも、色んな事忘れちゃってた…、なりさん、わたしがもしなりさんの事とかちびちゃんの事とか忘れたりしたら、すぐに、どっか遠いなりさんが面会に来れない様なとこにある施設か何かに入れて、会いに来ないでね…そんな風になったわたしを、なりさんにも、この子にも見て欲しく無いもん…。」

「バカな事言ってんじゃねぇよ!で、その病気治るのか?」

「…うん…、まだ初期だし、治る可能性はあるって言ってた…。」

「だったら、いいじゃねぇか、今までは、一生鬱病と付き合わなきゃって言われてたのが、治る可能性が出たんだろ?いい事じゃん!」

「でもね、この二十年近く鬱病の治療してたのって何だったんだろうな?って考えると、ちょっとやりきれない気持ちになるんだ…。」

「正確な病名が分かっただけでもいいじゃねぇか!回り道だったかも知れないけど、治る可能性が出たんだろう?俺はそっちの方が嬉しいよ。」

「…うーん…。」

「俺はさ、一生付き合わなきゃな病気を持ってるからさ、お前だけでも治る可能性が出たのは、本当に嬉しい、前向きに行こうやっ!」

当時の俺はここで致命的なミスを犯す、『統合失調』=(旧)『分裂病』である事も、陰性症状が出た場合効果的な薬が無い事(当時)も何も自分で調べる事を、生活に追われている事を言い訳に放棄してしまっていた。

無知の罪には、相応の罰が待っている…。

「最近ね、幻覚とか特に酷いんだ…、仕事にも結構影響出ちゃってるからね…、正直、ちょっと辛いよ…。」

「なぁ、俺も仕事決まったし、体調もおかげさんで良くなったしさ、今度はお前の番だ、俺が働いて来るから、お前は仕事の事なんか考えねぇでゆっくり休めよ…、今までの恩返し!交代しよっ!なっ?」

「なりさん、ありがとう、ちょっと甘えさせて貰おうかな…。」

「おう、そうしろ!、今度は俺が頑張る番だからさ、ゆっくり休め!」

数日後から、今度は嫁さんの自宅療養が始まった…、だがそれは、嫁さんが社会から孤立するのと同じ意味を持つ事に俺は気付いていなかった…。

その間、俺の仕事はハードさを増し、帰宅時間の遅れ、睡眠不足、自分の時間も家族との時間も取れないもどかしさ等で俺自身がストレスフルの状態になっていた。

当然、ただでさえ少ない嫁さんと過ごせる時間を愚痴を言う時間と、些細な事で苛立ち、苛立ちの矛先を嫁さんに向けてしまうと言う本当に無駄な時間に費やしてしまっていた。

嫁さんは何も文句を言わずにいてくれたが、相当なストレスの負荷を俺が掛けてしまっていた事は想像に難くない…。

そんな最中、嫁さんが誕生日を迎える、その日は同時に結婚記念日でもある…。

当日は時間が取れずにお祝いは週末まで待ってもらう事にした。

「どっか行きたい所とか、喰いたいもんとかあったら決めといてね。」

「うーん…、じゃぁ、久しぶりに外でお寿司が食べたいかな?」

「よし、じゃぁ、週末は寿司だ!好きなだけ喰っていいから、楽しみにしてろよな?」

「うん!」

その週末と翌週末は、嫁さんの誕生日祝いと、結婚記念日それと、俺のストレス解消を兼ねて、家族で外食が続いた。

「ごめんな、お祝い遅れて、誕生日おめでとう、乾杯!ほら、ママがまた年とったよ、ちびも乾杯してあげな!(笑)」

「なりさん、一言余計!(笑)」

「ママかんぱい!」

「ありがとう!…なりさんと一緒にご飯食べるのも、随分回数減っちゃたね…。」

「そうだな…ごめんな、これから先、必ずどっかで穴埋めするからさ、それまで少し時間ちょうだい、頼む!」

「うん、期待して待ってるね。」

寿司屋での誕生日祝い、そして、翌週に行った嫁さんとよく通ったバーでの結婚記念のハプニングサービス付きの食事が家族三人で行った最後の外食になる…。

一見平穏に、何事も無かったかのように、時間が過ぎた…。

だが、そのかりそめの平穏の期間にも嫁さんの苦悩は続いていた事を知る事になるのは、それから数週間後だった…。

ただひたすら、俺や、娘に心配させない為に…
ただひたすら、笑顔をみせてくれていた…
ただひたすら、自分の感情を押し殺して…

全ては、俺と娘の為に…。



続く
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テーマ:たいせつなひと。 - ジャンル:心と身体

  1. 2008/09/27(土) 14:45:18|
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  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

読まさせていただきました。
応援ポチッ!!!
  1. 2008/09/30(火) 23:34:25 |
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