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メンタル疾患の彼氏彼女を持つ人達へ…(エピソード27)「肉体の消滅」(後編))※メンタル面が不安定な方は安定する時期まで、読み飛ばす事をおすすめします。

このエピソード達は、俺と、今は亡き、嫁さんが過ごして来た時間を懐古しながら、今現在、そういった状況で、悩んだり、困ったり、つまづいたりしている、人達の何かの役に立てればと思い、不定期で、自分と嫁さんのエピソードを、ノンフィクションで、書き綴っているものです…。

現在進行形の物語ではないので、ご注意を…。



エピソード27「肉体の消滅」(後編)



返答の無い夫婦の会話を続けた夜が明ける。

様々な形で連絡を取った嫁さんの友人や知人が嫁さんの顔を見に来てくれる。

嫁さんの亡骸を見た人達の反応は人それぞれ…。

泣き崩れる人、現実を受け止められずただ事務的に焼香を済ませる人…。

全ての人の対応に、俺自身が、崩れてしまわない様、気を張り詰めていた。

嫁さんの死因については、嫁さんの病気に対して本当に理解のある方だけに、事実を告げた…。

理解の無い人達に対して事実を告げ、嫁さんの死を曲解されたまま誰かに伝えられるのは、俺にとって、許し難い事だったから…。

事実を人達に関しては、日を改めて、話す時間を作る事を約束し、その日を終える。

翌日は火葬…。

その儀式が終ってしまえば、嫁さんの体に触れる事も髪を撫でてあげる事も出来なくなる…。

その夜は、朝まで、嫁さんの体に抱きつき、頬を寄せ、髪を撫でた…。

いつもの笑顔を返してくれない嫁さんの顔に…。

ドライアイスとエアコンで、氷の様に冷たくなった嫁さんの体に…。

何度も何度も…。


翌日、火葬場まで嫁さんを運んでくれる為に葬儀社の人達がやってくる、それまで眠っていた布団から、棺へ嫁さんが移せれる…。

なぜか一筋だけ涙が流れた…。

火葬の準備が始まり、安らかな寝顔の様な表情のまま、棺の中に横たわる嫁さんが、嫁さんの好きだった色の花に囲まれていく…。

その顔の側に、嫁さんの好きな、本や、タバコ、そして、風邪気味だった嫁さんの為に、二人の常備薬だった風邪薬と、娘からのプレゼントを添える。

そこで、火葬の担当者が一言…。

「お見送りの準備もお済になりました様なので、もしよろしければ、定刻にはまだお時間がありますが、予定を早める事も出来ますがいかが致しますか?」

「!?」

その言葉の意味を理解し、唖然とした…。

それが怒りに変わるまで、殆ど、時間は要さなかった。

「おい!葬儀屋!今の言葉どういう意味で言った?どこの馬鹿がてめぇの嫁さんを少しでも早く、釜の中に入れたいと思う奴がいると思うんだ!?」

「申し訳御座いません…。」

「マニュアル通りに喋っただけなんだろうがよ、人の気持ちも考えてからものを喋れ!!これから時間まで、そのうす汚ねぇ口を二度と開くな!!まだ別れの準備なんか済んでる筈がねぇだろうが!!」

「はい…、申し訳御座いませんでした…。」

「ぱぱ、おおきいこえだしたら、ままねんねできないよ。」

「そうだな…、ごめんね、びっくりした?」

「うん。」

「よし、ママにもう一回、おやすみ言いに行こうか?」

「うん!」

娘を抱いたまま、よめさんの棺の側へ戻る。

「まま、おやすみなさい、げんきになったらまたあそんでね。」

娘に嫁さんの顔を見せ、娘を友人に抱っこして貰う。

最期の嫁さんとの会話は二人だけでしたかった…。

「…お嫁ちゃん、ごめんな、正直さぁ、このまま、お前と一緒に棺桶の中に入らせて貰いてぇよ…。」

「…でも、それは、お前が許してくれねぇんだよな?」

「だから、遺書に俺を名指しで、俺達の子供預けてくれたんだよな?」

「たくさんの幸せを与えて貰ったのは俺の方だよ、同じだけの幸せ返してあげれなくてごめんな…。」

「結婚式の時、神父さんが『死が二人を別つ時まで愛し続ける事を』なんて言ってたけどさ、これからも、俺は、お前の事を愛し続ける事を約束するからな…。」

「だから、『さようなら』は言わない、先にいって待ってて欲しい…、それまでは、ゆっくり休んでていいんだからな。」

「寂しい思いをさせてごめんな、辛い時に側にいてあげれなくてごめんな…、これからは、お前は寂しい思いも、辛い思いも、悲しい思いもしなくていいんだからな。」

「お前が、これから感じるはずだった、辛い事、苦しい事は、全部俺が引き受けるから…、だから、ゆっくりおやすみ…・」

「さよならの代わりに…ありがとう…」

「…そろそろ、お時間です…。」

嫁さんの棺が動き出した時、棺によじ登り、嫁さんと最期のキスをする…。

よめさんの唇に体温が戻った気がした…。

「愛しています心から…、ありがとう…おやすみ…。」

数十分後、嫁さんの体は、白い箱に収められていた…。

俺の嫁さんに対する愛おしさは、何も変わっていなかった…。



続く
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テーマ:たいせつなひと。 - ジャンル:心と身体

  1. 2008/10/17(金) 22:50:50|
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